ラーメン


 京都で、久しぶりにまずいラーメンを食べた。河原町から木屋町に抜ける路地なのだが、一軒目は無国籍創作料理風居酒屋でまあまあ旨く酒を飲んで、そこでやめとけばいいのに「ラーメンいっときますか?」みたいなノリで手近なとこに入ったのが間違いだった。「白濁したスープ」ってのはよく耳にするけど、「茶濁」してる。それなのに味が無く、麺はテーブルに来た段階でのびきっていた。それなのに壁には「一麺入魂』なんて貼ってある。食い物関係のはずれだけは本当にどうしようも無いナ。いっそ「ラーメン駆け込み寺」でも作って欲しいものだ。

 で、この話を楽屋ですると
「でも一応麺だけは食えたんだろ?ならましだよ。俺なんて・・・」
という具合に誰が一番まずいラーメンを食ったでしょう大会になる。確かに麺を食えたのはまだましの部類に入る。本当にまずい物はどんな空腹でも食えない物を言うのだろう。

 ぼくもそんな体験をしている。都内某所のそば屋で、店名に「庵」と付くメジャーなフランチャイズのはずなのだが、これが激まずだった。その日は朝から食事のタイミングを逃したまま仕事で、楽器の搬入やサウンドチェックをこなして空腹のピークだった。で、本番まで時間が空いたのでそばでも食おうと言う事になったのだが、店に入った段階で嫌な予感がした。ショーケースのサンプルが何年も置きっぱなしなのか薄汚く日焼けして、店内も小汚い。店員は店内のテレビを見てげらげら笑っている。そして出て来たモノは湯がく前の「粉製品」とでもいうかパサパサで、汁に押し付けてしばらくしないと喉を通る状態にはとてもならない。しかもその汁も味が無い。米は大丈夫なのか、丼物をたのんだ人は平気で食っている。そして店員は相変わらずテレビを見てげらげら・・・。この時は人のおごりだったのだが、さすがに食えないという事で事情を説明して一人先に店をでて、コンビニでパンを買った。正に空腹に勝つほどのまずさだったという事だろう。

 逆に本当に旨い物は満腹でもう食えないと思ってる時に、自然にたいらげる事ができる物だろう。これも一度体験している。新宿のワシントンホテルでパーティー関係の仕事をした時の事、やはりサウンドチェックが終わった所で食事が出た。ローストビーフのサンドイッチである。その時は僕とベースの人も会場に入る前に食べていたので、「いや〜タイミング悪かったな〜」という感じで、残すのも申し訳ないので一切れだけ口に入れた。ところがこれが美味い!。パンも具も、付け合わせのピクルスやコーヒーに至るまで、すべてがバランス良く調和しきっていて実に「軽快」なのだ。満腹だったはずの二人ともあっという間に残さず食べてしまっていた。今回は美味さが満腹を忘れさせたわけだ。

 さて京都から大阪に移動して懲りずにまたラーメンを食べる事になった。話の流れならまたまずいラーメンに当たってオチ・・・という所だが、残念ながら(?)すごく美味い。もちろんスープまで全部飲ませてもらいました。


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