リズムの練習?


 ドラムという楽器をやっていると、他の楽器をやっている人に
「僕も(わたしも)リズムを良くするために打楽器系を何か勉強してみようかと思ってるんだけど・・・」
といった類のことを相談されることがよくある。それも一人や二人じゃなく、結構多くの人とそんな会話になったことがありました。彼らは打楽器系の練習に何か問題解決になる糸口があると思ったわけでしょうが、これは変だ。欧米の人が東洋人を見ると皆
「空手をやってみせて」
なんて言うのと同じ。ドラマーやパーカショニスト、あるいはダンサーとかいう職業でもリズムの悪い人はいっぱいいる。

 「では、リズムを良くする練習方法を教えて下さい。」
と訊かれて理路整然と答えられる人は少ないんじゃないかな。
「いつでもメトロノームに合わせて練習を・・・」
なんて答えが多いかもしれない。でも昔に比べてはるかに正確なメトロノームが普及している現代、リズムの良い人の出現率がそれほど良くなっているとは思えない。

 そしてそれは、練習量にも比例してないのだ。
「あのギターの人、譜面はすぐ読むんだけどリズムが変なんだよな」
「あのバンドのドラム、手はすっげ〜速く動くんだけどノリが悪いんだよ〜」
なんて人、周りにいるでしょ?楽器を演奏する為の日々の訓練が、同時にリズムを良くしていくのなら、こういう人たちはいないはず。つまり、指を動かす訓練や楽譜を読む訓練とは別に「リズムを良くする為の訓練」を見つけて実行していかなくてはならないという事だ。

 では「リズムが良い」とはどういう状態を意味するのだろう?僕は現時点でこう考える。
(1)与えられたテンポでの「音符と休符の長さ(タイム)」を正確に記憶し再現できる。
(2)合奏の場合は全員の「共同認識しているタイム」を把握し再現できる。
(3)その音楽が地域性、民族性、時代性によって個々に持つ「タイムの偏差(オフセット)」を把握し再現できる。
以上。かなり硬い表現になったが定義としてはこうだろう。

 柔軟体操だけを続けている人が
「ずっとやってるんだけど筋力が付かないんだよね〜」
なんて言ってるのを聞いたら、あなたは
「そんな事、五百年やったって変わらないぞ!」
と非難するだろう。でも僕らは程度の差こそあれ同じような間違いをしているのだ。判ったところで新しい練習にチャレンジしていこう。


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