割算より足し算


 今回は僕が昔やっていた練習を例にして、音符の長さを変化させる学習法を探っていきたいと思う。こういった練習を僕は「切り返し」と勝手に呼んでいたが、正式には「ターン何とか」という呼び方が有るようだ。

 まずメトロノームであるテンポを設定する。そして四小節や八小節などで長さを決めて、四分音符、二拍三連、八分音符、三連符、十六分音符、五連符、六連符、七連符、八連符・・・と細分化していき、また逆に大きい音符に戻ってくる、といった練習だ。

 振り返ってみてこれの良かった点は
1)毎回違うテンポでやった
これはメトロノームのジョグダイヤルをランダムに回して、その出た数字で練習するというシステム
2)手順や手足のコンビネーションにも応用した
例えば「RRLL」が、五連になると「RRLLR」二拍目が「RLLRR」に変化していく
以上の二点だと思う。タイムコントロールと速さの追求、手足のコンビネーションの三つを同時に向上させるやり方として考案したのだが、問題点がある。
1)タイムコントロールは他の練習と独立させた方が効率的だ
2)音符の長さを変えてからの四小節や八小節が無駄
3)タイムコントロールと速さの追求では「負荷」のかけかたも違う
4)実際の演奏でこの様なパターンはほとんどない
以上の四点だ。

 これらの事を踏まえて今考案中の「切り返し」方を述べたい。まず判りやすく例え話からいきます。1メートルの高さに棚を4段作るとして、だいたい真ん中にまず一枚棚を作り、またそれのだいたい真ん中に一枚棚を作るというやり方が考えられます。一方、25センチを測って棚を作っていくやり方もある(あくまでも例え話なので「板の厚さはどうなってるの?」なんて言わないでネ)。練習方としてベターなのは後者であろう。

 例えば八分音符から三連符に変化させるとして
1)必ずしも叩かなくても、口で歌うのも良い。その際音符の長さを感じる様に「タッタッタッ」より「ターターター」と発音する
2)切り返ってしまえばこっちの物なので、三連符に変化した二拍ぐらいを抽出して繰り返す。具体的には三連符に変化した二個目を迷わずに正確に打てる事が大事だ。違ったら修正しないですぐにやめて再びトライする
3)負荷のかけ方として、人に聴いてもらい連続してある回数成功する、というやり方をとる
4)実際の演奏で「切り返し」の難しい所を抽出して練習する
という方法が考えられる。もちろんこれが究極では無いので更なる意見を集めたいところだ。

 小学校の音楽の教科書などでも、八分音符はアヒルが二匹、三連符はアヒルが三匹みたいな絵で音符を説明していたと思う。これは大変分かりやすいがどうしても「割算」ぽい概念に感じやすい。むしろ「足し算」の方が実際の演奏上は近いと思う。五連符を「オカチマチ、オカチマチ」と歌うアイディアがある。これはなかなか秀逸だが、「次の拍までにオカチマチと言い終わる」という事になってはダメだ。「オ」の次に正確に「カ」を歌う、これが大事である。


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